ペット可物件で暮らす

ペットトラブルが起こったら、どこに相談したらいいの?

ペットと暮らす人が集まるペット可賃貸ではペットトラブルもおのずと多くなります。たとえあなたとペットがきちんとルールを守って暮らしていても、他のペットと飼い主が迷惑をかけてくることがあるのです。
動物の愛護及び管理に関する法律(第七条)には、「動物の所有者または占有者は、動物の所有者としての責任を十分に自覚して人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」と規定してあります。つまり、ペットと暮らす人は、近隣の住人とトラブルを起こさず、良好な関係を保っていくのが義務といえるでしょう。
そこで今回は、ペット可賃貸・ペット可マンションでペットトラブルが起こった場合、どこに相談すればよいのか考えてみました。

まず、ペット可賃貸で起こるペットトラブルとは…

ペット可賃貸で起こるペットトラブルには、おもに、吠え声や鳴き声に関するもの、悪臭に関するもの糞尿に関するもの被毛に関するものの4つが挙げられます。これらは、「ペット可住宅の4大トラブル」といわれ、ペット可賃貸の増加とともに、トラブルも増加傾向にあります。
■ペット可住宅の4大トラブル

吠え声・鳴き
声トラブル
犬が深夜や早朝に吠え、近隣住人の睡眠を妨げて仕事などに支障をきたしてしまう。家の人が留守中に吠え続けたり(分離不安)、また、家の人がいても散歩や食餌を要求して吠え続けることがある。犬が吠える原因を見極めて対処することが大切。
悪臭トラブル ベランダや窓、玄関、通気口からペットの臭いが匂ってきて窓などが開けられなくなる。ペットの糞尿をゴミに出すまでベランダで保管していると、臭いが漏れてしまうことがあるので注意が必要。
糞尿トラブル マンションなどのエントランスの植木や庭、廊下、エレベーターなどの共有部分にペットが排泄してしまう。飼い主が犬のしつけを怠り、きちんと糞尿を処理・掃除しないことが問題。
被毛トラブル ペットの被毛が隣・上下階住人のベランダや部屋の中に飛んでいき、不快な思いをさせたりアレルギー症状を引き起こしてしまう。ベランダでペットをブラッシングしたりペットの毛布をはたくなどが主な原因。エレベーターや廊下などの共用部分で起こることも。

ペットトラブルは賃貸借契約違反?契約解除(=退去)になる場合も

ペット可賃貸などでペットトラブルが起きるとどうなるのでしょうか?
代表的な犬の吠え声のトラブルを例にとって説明します。ペット可賃貸で、連日、犬の異常な吠え声が長時間続くような場合や、吠え声が深夜、早朝まで及んでいるとします。
賃貸借契約書に、「犬の吠え声については、近隣に迷惑をかけないようにすること」などの記載が特にない場合でも、借主は賃貸借契約上の義務として、近隣に迷惑をかけないように住居を使用しなければなりません。不動産会社が住人からペットトラブルの相談を受けたら、トラブル元の住人に契約違反があるかどうかを確認して改善要求することができます。
それでも犬の吠え声が続けている場合、貸主(大家さん)側は賃貸借契約上の義務違反として、賃貸借契約を解除することができます。悪臭、糞尿、飛散する毛などで近隣に迷惑をかけている場合も同様です。
ペットトラブルで被害を受けた住人は、まずは不動産会社に相談するのが解決への近道といえるでしょう。

ペットトラブルを公的機関に相談する

ペットトラブルのケースによっては、以下の公的機関からトラブル元住人に注意してもらうほうがよい場合もあります。

  1. 地域の保健所……ペットの苦情相談をすると、職員がペット飼い主に指導や注意を行います。保健所の指導に法的な執行力はありませんが、公的機関からの注意なのである程度の効果が期待できます。不動産会社に相談する前に、保健所に相談してもいいかもしれません。
  2. 地域の警察署……ペットトラブルは民事なので警察は基本的に介入しませんが、深夜にけたたましい吠え声が続く場合などは刑事事件に発展するおそれがあるので、注意・指導を行ってくれます。

裁判の前に内容証明でペットトラブルを解決する

さまざまなトラブルを解決する手段として、「内容証明」を出すという方法があります。内容証明とは、国の特殊会社である日本郵便株式会社が謄本により証明する制度で、日付・差出人・宛先・文書内容を国が証明した公文書となるため、「契約解除」「債権回収」の手続き上必要だったり、裁判所や警察への俗に「訴え」といわれる法的措置の前段階として常用されているものです。
ペットトラブルも同じです。訴訟を起こす前に、内容証明で具体的な改善要求やこれまでの損害賠償の請求を行いましょう。
民法には「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」という規定があります。したがって、犬の吠え声が他の入居者の「受忍限度」を超えていて、平穏に生活する利益を侵害している場合は、損害賠償の義務を負うことになるのです。
つまり、私たちは無人島で一人暮らしをしているのではなく社会の中で暮らしているから車や電車の走る音、人やペットの声といったある程度の騒音は我慢しなければなりません。が、限界を超えた騒音や臭いに対しては、迷惑を発生させている人に対し損害賠償の請求ができることになります。

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