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賃貸物件で多頭飼いはバレる?交渉のコツや「頭数制限なし」分譲マンションも徹底解説!

私たちとペットの暮らしはインターネットによってどんどん便利になりました。ブログやSNSでお困りごとが解決…なんてこともよくあるでしょう。
そんなことから「もう1匹飼いたい!」と思う人が増えてきたようで、当ペットホームウェブでも「多頭飼育できる物件」の検索数は年々増加しています。
ペット可賃貸の場合、多頭飼育といっても2匹までがほとんどですが、ペット可の分譲マンションではどうでしょうか?
分譲マンションのペットに関する規約を多数チェックしてきた、一級建築士でペットシッターのいしまるあきこさんに分譲マンションの多頭飼育について教えていただきました。
目次
賃貸物件で多頭飼いはできる?
分譲マンションでは「ペット飼育細則」や「管理規約」でペットに関連すること(以下、「ペット規約」と書きます)が定められています。飼育可能なペットの頭数の上限はほとんどの物件でこれに記載されています。
よく見かけるのは、1住戸あたり「犬か猫どちらか1頭まで」や「犬と猫、合わせて2頭まで」という規約です。さらに体重や体高・体長といった体格に関する上限も定められていることも多いです。
基本的な考え方として、散歩に連れて行く際に犬を抱っこして住戸からマンションエントランスまで運べる頭数や重さかどうか、猫を病院に連れて行く際にキャリーなどに入れて持ち運びできるかどうかが重視されています。ほかの住人と出会った際のトラブルを避けるための工夫と言えます。
また、ペアの犬2匹に子犬が生まれたり子猫を保護したりなど、飼育頭数の上限を超えた場合の規約を定めたマンションもあります。例えば「すぐに届け出て、3カ月以内に引取先を探し、報告すること」といった内容です。
ブリーダー行為や保護猫活動を禁止するマンションもあります。
基本的には、何かしらの方法で定められている上限の頭数まで減らさなければいけません。
現在住んでいる物件で既にペットを飼っていても、多頭飼いができるとは限りません。
まず、「ペットを増やしたい」という場合には、ペット規約を確認しましょう。
万が一、規約にペットの頭数が明記されていなくても、バレないと思って無断でペットを増やしてはいけません。
不動産会社や大家さんに問合せて確認することが重要です。
賃貸物件で多頭飼いがバレる前に行うべき交渉のコツ4選
それでは、多頭飼いを叶えたい場合にはどうすれば良いのでしょうか?
ここからは、賃貸物件で多頭飼いがバレる前に行うべき交渉のコツを紹介します。
①敷金を通常より多く支払う
原状回復費にも充てられる敷金を通常より多く支払う、という条件で交渉する方法があります。
例えば、敷金を1ヵ月分上乗せするといった方法です。
このように交渉することで、許可を得られる場合もあるかもしれません。
室内を注意してきれいに使えば、敷金は退去時に返還されるでしょう。
②家賃にいくらか上乗せする
家賃にいくらか上乗せするという方法もあります。
多頭飼いを認めている物件では、1匹増えるごとに家賃を一定数上乗せするという条件のところもあります。
この交渉も多頭飼いの許可を得るための1つの方法と言えるでしょう。
③共用部ではペットを歩かせないと約束する
他の住人とのトラブルを避ける努力を示すためにも、共用部ではペットを歩かせないと約束することも大切です。
他の住人への配慮の姿勢を伝えることができるので、多頭飼いを許可してもらう上では有効になってくる条件と言えます。
④騒音や抜け毛・臭いの対策をしていることを伝える
ペットを飼っていることで起きるトラブルと言えば、主に騒音や抜け毛、ニオイなどが挙げられます。
大家さんは、「ペットが増えたら、その分トラブルも増えるのではないか」と心配する場合もあります。
室内で吠えないようにきちんとしつけていることや、定期的なブラッシングと掃除で抜け毛対策をしていること、ベランダや建物の敷地内で糞尿をさせないことなどを伝えて、心配を減らしてもらうよう心がけましょう。
実は存在する「頭数制限なし」の分譲マンション

ペット可の分譲マンションが主流となったのは2000年代以降と言われています。
不動産経済研究所の「首都圏におけるペット飼育可能な分譲マンション普及率調査」によると、調査を開始した1998年に販売された新築の分譲マンションの中でペット可の割合は1.1%しかありませんでしたが、2002年には30%、2004年には50%を超えて、2007年には普及率が86.2%まであがっています。
それでは、2000年よりも前の分譲マンションのほとんどがペット禁止かというと、そうではありません。ペット規約をつくるよう国土交通省から大きな働きかけがあったのが1997年。それ以前はペット規約がないほうが当たり前で、ペットを飼って良いのか禁止なのかを明記していない分譲マンションが多かったのです。
当時はこのような分譲マンションで犬や猫を飼う人がいました。また、「小動物は飼って良い」と定められていたマンションでは、小動物に対する見解の違いから犬や猫を飼う人がいました。こういった分譲マンションでは、ペットを手放すよう定めたり、すでに飼っていたペットが亡くなるまでの1代のみ飼育を認めましたが、新たに犬や猫を迎えることや新しい入居者については飼育を禁止しました。
つまり、ペット規約を新しくつくろうとした時代に、ペット飼育を許可するものの頭数の上限を定められなかったマンションや、現在までペット規約をつくっていないマンションが「頭数制限なし」の分譲マンションとなったのです。
「頭数制限なし」分譲マンションの特徴とは?
「頭数制限なし」のマンションは基本的には1970年代〜1990年代竣工のマンションです。確認したところ、規模は30戸以下が29%、31〜60戸が35%、61〜100戸が18%、101戸以上が18%で小規模マンションが多いようです。
ペット規約を定める前に多頭飼育を始めた住戸があり頭数が増えた状態が続いていたため、そのまま頭数制限を定めることができなかった経緯が多いようです。なかには2000年代のマンションもありましたが、この年代で頭数の上限など細かい規約が定められていないことは稀です。
ただ、制限がなければペットと楽しく暮らせるかというと、そうとも限りません。
頭数制限がないと「いくらでも増やしてよい」と考える人が現れ、管理が行き届かないために動物の排泄物のにおいや体臭、鳴き声の騒音といったトラブルが発生します。ペットがいるから「お互いさま」では済まない状態も起こりえます。
分譲マンションでペットと健全に暮らしたいなら、ペット規約がきちんと定められているところを選ぶことをおすすめします。多頭飼育をするためあえて「頭数制限なし」の分譲マンションを選ぶのであれば、覚悟を持って購入したほうが良いでしょう。
ペット可分譲マンションの飼育可能頭数の割合

2000年以降に竣工したペット可分譲マンションは、ペット規約を定めており飼育可能数は1〜2匹以内がほとんどです。
確認できたペット可の分譲マンションでは、1匹までが76.7%、2匹までが19.6%、3匹までが0.8%と4匹は0%、5匹が0.2%で、それ以上の具体的な数字はいまのところ見たことがありません。具体的に定めていない「頭数制限なし」は2.7%でした。
分譲マンションでは、多頭飼育と言っても2匹までが現実的です。気に入るような分譲マンションが、3匹以上飼育可能であることはほとんどありません。
3匹以上飼育可能なマンションは、選択肢が少なく古い物件のことが多いです。すでに3匹以上飼育されている方やその予定がある方は、可能性の低いものを探すよりは制限の無い戸建てを選ぶほうが良いでしょう。もし、分譲マンションでの暮らしが気に入っている場合は、意識的に頭数を増やさないよう努めましょう。
規約を無視して多頭飼育する人もなかにはいますが、管理組合と裁判になって家を出た事例や犬や猫をほかの人に譲渡せざるを得なくなった事例もあります。
規約以上の頭数と暮らしたいのであれば、飼育可能頭数がより多いところや制限のない戸建てに引っ越すことをおすすめします。
内緒で飼っているために「犬の散歩に行けない」「猫が外を見ることができない」といったペットが窮屈な思いをすることがないようきちんと対応したいですね。
まとめ
今回の記事では、賃貸物件での多頭飼いについて解説しました。
ペットを飼っている自分たちだけでなく、他の住人と思い合った生活をしたり、大家さんに安心してもらったりするためにも、しっかりとした交渉の上でペットを増やすようにしましょう。
ペットも人も楽しく暮らすために「バレないだろう」と無断で増やさず、工夫をするようにしてくださいね。

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