ペット可物件を買う
購入前に知っておきたい!ペット可分譲マンションのペットに関する管理規約

ようやく見つけたあなたの希望条件に近いペット可の分譲マンション。内覧して気に入ったら「即、契約」といきたいところですが、ちょっと待った!
一級建築士でペットシッターのいしまるあきこさんによると、購入前に知っておくべき大切なことがあるのだとか。早速、教えていただきましょう。
目次
うっかり破ってしまいそうな禁止事項とは?
ペット可分譲マンションで飼育可能な動物の種類や頭数のほか、ペットに関することを細かく定められているのがマンション管理規約やペット飼育細則などのペットに関連する規約(ここでは「ペット規約」
●ペットの大きさ、重さの制限
例えばよく見かける「飼育可能な犬や猫は、成長時に体長50センチをこえない、体重10キロ以内とする」といった規約があります。あなたの愛犬、愛猫はこれらの数値をうっかり超えていないでしょうか?マンションによってその解釈が若干違うことがありますが、一般的に「体長」とは下記のように定義されるケースが多くなります。
「体長50センチ、体重10キロ以内」は、小型犬や中型犬の一部と猫全般が当てはまると意識されるでしょう。しかし猫でも、最近人気のあるノルウェージャン・フォレストキャットや世界最大猫種として知られているメインクーンなどの大型猫種で体長が100センチになる子や10キロを超える子がいます。猫種に関しては細かな規約が定められていないことがほとんどですから、うっかり規約を破ってしまうかもしれません。

大型猫種のメインクーン
また、最近は犬も猫も肥満の子が増えています。大型犬、大型猫種以外でも体重が10キロを超える子がいるので注意が必要です。体重規定の目的は、1.他の住人にとって脅威になりにくくする、2.エレベータなどで抱っこができる、3.住戸内で走り回ったり高いところから着地したりしたときの衝撃音が大きくならないようにする、というマンション住人同士の配慮となります。きちんと意識しましょう。

食いしん坊なビーグルは要注意⁉(マフィン/ペットフォトより)
●予防接種、健康診断の義務
そのほか「狂犬病予防法で定められた予防注射を毎年必ず受けること」といった犬の飼い主としての大切な義務の記載もよく見かけます。これに加え、「犬・猫を飼育する場合には、1年に1回、健康診断を受けること」と定めているマンションもあります。
もちろん健康診断は良いことですが、なかには動物病院への通院が困難な子もいます。とくに猫は環境の変化に弱く、病院でずっと鳴いていたり診察台でうなって暴れたり獣医さんを噛んだり病院から帰って食欲がなくなってしまうことがあります。また、いつも隠れていて飼い主さんすら触ることが難しい「家庭内野良」といった状態の猫は、そもそも病院に連れて行くことが難しいでしょう。
そういった猫の場合は健康診断を義務としたマンションは避けたほうがよいかもしれませんが、防災の観点から猫を安全に外に連れていけることは非常に重要です。例えば、キャリーを寝床代わりにしたり、なかでごはんを食べさせたりして、少しずつキャリーや移動に慣らす訓練をしてください。
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知っていたら入居しない⁉そんなペット規約もある
ペット規約のなかには、建物内での禁止事項もいくつかあります。
●バルコニー、専用庭の使用禁止
よく思い違いをしてしまうのが、専用庭やルーフバルコニーの使用についての規約です。たいていのマンションでは、バルコニーにペットを出すことや、ごはんやブラッシング等の世話をバルコニーで行うことを禁止しています。同じように、1階などに多い芝生の専用庭や広々していて駆け回りたくなるようなルーフバルコニーなども、ペットの使用を禁止しているところがほとんどです。戸建て感覚で犬が遊んでいる姿を想像して専用庭のある住戸を購入しても、残念なことになってしまいます。

バルコニーは利用不可がほとんど。
●飼育の許可・届出
ペットの飼育に「許可」が必要なマンションも要注意です。ほとんどのマンションでは、入居前や飼育前に管理組合などに「届出」をします。許可制では管理組合の理事長に書類を提出して事前に規約に反していないかなどの審査を経て、許可を得られた場合にペットが飼えるといった流れになります。
ところが、なかには「住戸の上下左右に同意書を書いてもらうこと」と定め、他の住人の許可を取る必要があるマンションもあるのです。途中からペット規約が定められ「ペット可」となったマンションは、必ずしも住人すべてがペットに好意的とは限らないため、周辺住人の同意を得られないこともあります。許可制の場合は、どのように飼育の許可を出すのかを調べておく必要があります。
●エレベーターの使用禁止など
ペットとの共生に消極的な規約もあります。たとえば、「ペットを連れてエレベータを一切使用しないこと」といった規約です。古くからあるマンションで途中から「ペット可」となったマンションで稀に見かけます。また、「住人5組から苦情が入った場合は飼育を中止させる」といった規約もよくあります。飼育者に勧告しても改善されない場合、「ペットの訓練」「ペットの手術の実施」「ペット飼育禁止」を指示し、従わない場合や解決しない場合は裁判も起きています。
●リフォームの禁止
各戸の専有部分の修繕やリフォームに関する規約でも注意が必要なことがあります。ペットと暮らす人は掃除がしやすいフローリングを希望することが多いですが、竣工当初からカーペットが敷かれ、カーペット以外の床材は認めないマンションがあります。全面カーペットのマンションはお掃除の負担が大きく、とくに床の汚れを気にする人にはおすすめできません。
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ペットと暮らす人だけが負担する費用もある
ペットと暮らす人だけが払う費用としてよくあるのが、ペットクラブの参加費やペット委員会などの維持費です。毎年数百円から数千円のものまで様々です。1頭あたりの登録料を取るところもあります。ペットクラブや委員会は、ペットと暮らす住人同士の交流の場となりますし、ペットと暮らしていないほかの住人に対して啓蒙活動を行ったり、ペットに関する苦情の受付窓口になったり、トラブル防止に務めていることが多いです。クラブや委員会への加入は必須のところもあれば、加入したい人だけ入るところもあります。
ペット向け共用施設は2000年代以降に竣工したマンションで見かけられます。よくある施設は、ペットの足洗い場や汚物流しでしょう。充実したところでは、ドッグランやグルーミングルームもあります。こういった共用施設にかかる費用を全住戸で負担するところもありますが、竣工から数年経つとペットと暮らす住戸だけが負担する場合や、ペットと言っても犬と猫では使用頻度が異なるものも多く、施設を使用する住戸だけが水道代などを負担するマンションもあります。建物外部にある足洗い場などには蛇口に簡易的な錠を付け、共用の鍵を持っている人だけが利用して水道代を負担する仕組みになります。

屋上ドッグランの一例
以上がペットに関する規約のおもな注意点でした。みなさんにはマンション購入の前にご確認いただき、ご自身とペットのライフスタイルに合うかどうか調べておくことをおすすめします。
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